正直に言う。
もう二度と出ないと誓った。
理由はシンプル。
春の爆風。
そして遮るもののない農道。
ひたすら直線。
ひたすら風。
前に進んでいる感覚が消えるコース。
その中でハーフを走った。
結果は1時間55分31秒。
平均ペース5:25/km。
そしてこれが――
人生初のハーフ“サブ2”。
だが内容は、余裕の突破ではない。
7kmでスタミナは完全に消えた。
追い風ボーナスステージとヴェイパー覚醒
今日はヴェイパー3で挑んだ。
Nike ZoomX Vaporfly NEXT%3
カーボンの反発。
転がるような推進力。
6km、4:58。
7km、5:04。
追い風区間ではストライドが1.07mまで伸びた。
ピッチ189。
体が前へ吸い込まれていく感覚。
4分台ラップも刻んだ。
「今日いけるかもしれない」
そんな錯覚が生まれた。
だが、それはボーナスステージだった。
向かい風という地獄
農道に出る。
遮るものはゼロ。
向かい風は生やさしくない。
本当に、進まない。
トレッドミルを逆回転させているような感覚。
頑張っても景色が変わらない。
心拍は平均173。
最大181。
だが問題はそこじゃない。
ピッチ。
平均186。
最高219。
219。
これはほぼスプリント回転。
ストライドが削られ、
前に出ない分を回転で埋めようとする。
カーボンは本来ストライド型。
スピードに乗ってこそ活きる。
だが向かい風はスピードを奪う。
結果、
“ただ硬いシューズ”になる瞬間がある。
今日はそれを体感した。
7kmで終わった
7km地点で思った。
「あ、今日終わったな」
スタミナが消えた。
潜在的スタミナ100%スタート。
終了時1%。
ほぼ使い切っている。
前半で心肺と神経を使い過ぎた。
追い風で調子に乗った。
そして爆風区間で一気に削られた。
ここから残り14km。
ほぼ、もう一レース分ある。
歩こうかと思った
正直、歩こうかと思った。
向かい風直線。
5:40台に落ちるラップ。
全く進まない感覚。
16km、5:41。
17km、5:40。
メンタルは何度も崩壊しかけた。
でも止まらなかった。
理由は根性――と言いたいが、少し違う。
「ここで歩いたら終わる」
それだけだった。
サブ2が見えていたわけでもない。
余裕があったわけでもない。
ただ、歩かないと決め続けた。
データが物語っているもの
平均接地時間234ms。
上下動7.7cm。
パワー平均294W。
フォームは崩壊していない。
スタミナが“終わった”と感じても、
実際にはペースは大きく落ちていない。
つまり終わったのは
“快適ゾーン”。
本当の勝負はそこからだった。
オーバーリーチ5.0
トレーニング効果はVO2Max、5.0。
オーバーリーチ。
やりすぎレベル。
Body Batteryは-39。
代償はある。
・全身疲労
・筋肉痛
・脇腹痛
これは楽なサブ2ではない。
限界を削って出した1:55:31。
爆風が教えたこと
追い風は借金返済。
向かい風はメンタル。
追い風では誰でも速くなる。
向かい風で崩れない人だけが強くなる。
今日のサブ2は脚力の証明ではない。
判断力と粘りの証明。
・回転で刻む判断
・無理に張らない判断
・歩かない判断
その積み重ねが2時間の壁を壊した。
正直な感情
もうこのレースは出ない。
あの農道をまた走りたいとは思わない。
だが今日、越えた感覚がある。
7kmで終わったと思った日でも、
14km粘れば記録は出る。
快適が終わった場所からが、本番だった。
4/19 ウルトラ100kmへ
今日の爆風は、ウルトラ後半の予行演習。
100kmは快適な時間の方が短い。
今日わかった。
スタミナが消えたと感じても、
走りは終わらない。
止まらなければ、終わらない。
風は最後まで止まなかった。
でも、自分も止まらなかった。
初サブ2。
1時間55分31秒。
爆風農道で掴んだこの数字は、
ただのタイムじゃない。
“崩壊から立て直した証明”。
今日はそういう日だった。

