【第1章】冬でも外に出るランナーたち
冬の朝。
まだ外は暗い。窓を開けると空気がピリッと冷たい。
そんな中、通勤前の人がふと外を見ると、薄着で走る人影がスッ…と横切る。
一般人「え、ちょっと待って。今、半袖じゃなかった?」
この瞬間、一般人の頭には無数のツッコミが浮かぶ。
一般人「寒くないの?」「風邪ひくでしょ?」「仕事前に何やってんの?」
そう。ランナーという生き物は、冬になると少しおかしくなる。
気温5℃で“走るチャンス!”とテンションが上がり、
早朝6時の冷気を吸い込みながら「今日もいい練習できそうだな」と笑う。
一般人からしたら、もはや修行僧か何かだ。
でも、ランナー本人たちは至って真面目。
「走り出せば暖かくなるんだよ」とドヤ顔で言い、
しかもそれが本当だからタチが悪い。
「いや、寒くないって言うけどさ」と一般人の声が聞こえてきそうだ。
一般人「朝の気温3℃とかでしょ?コート着てても震えるよ?」
その気持ちは痛いほどわかる。
でもランナーには“走り出したら5分で暑くなる”という鉄則がある。
走る=移動するサウナ状態。
出発前は「これで大丈夫かな…」と震えていても、
1kmも走れば「もう1枚脱ぎたい」になる。
僕自身も寒がりで、冬が苦手。
でもランニングだけは別。
アンダーアーマーの袖なしインナーに長袖ウエア、
アシックスの薄いジャケットを羽織り、
ナイキのエアロスイフトというタイツを履いて外に出る。
まだ手袋はしない。
「冷たいな」と思うのは最初の1kmだけ。
そこを越えると、体が勝手に発熱モードに入る。
とはいえ、一般人からしたらこの姿、かなり異様だ。
「もっと着なよ!」って言われそうだ。
でも厚着をすると逆に汗で体が冷える。
これ、冬ランナーのあるある。
つまり冬のランナーは、
“寒くないために寒い格好をしている”という矛盾の塊なのだ。
次の章では、その理屈をランナー目線で徹底解剖していこう。
「なぜ薄着で走るのか?」「風邪をひかない理由は?」
そこにこそ、冬ランナーの狂気とロジックが共存している。
【第2章】「なぜ薄着なのか?」〜寒さを逆手に取るランナーの理屈〜
一般人「いや、薄着すぎでしょ。」
冬のランナーを見た一般人の第一声、だいたいこれ。
でもランナーの頭の中では、ちゃんと計算がある。
見た目は修行僧でも、中身はデータサイエンティスト。
「気温×走行ペース×体温上昇率=最適ウェア」という公式が存在する。
走ると、体温は約2〜3℃上がる。
それを踏まえると、気温5℃で長袖+ウインドブレーカーくらいが“ちょうどいい”。
それ以上着ると、5分後にはサウナ状態。
汗でびっしょり→風で冷える→むしろ寒い。
だから薄着こそが、冬ランの正解。
一般人の声が聞こえる。
一般人「じゃあ最初寒いじゃん!」
そう、その通り。最初はめっちゃ寒い。
でもそれでいい。
最初の1kmを“我慢の時間”として受け入れるのがランナー流。
走る前は玄関で震えながら、「やっぱやめようかな」と一瞬思う。
でも一歩外に出たら、もう戻れない。
気付けば足が動き出し、寒さを忘れている。
この感覚、走る人にしか分からない“スイッチ”の瞬間だ。
僕自身、冬の朝は苦手中の苦手。
布団の中が天国すぎて、外に出るなんて正気じゃない。
でも、いざ走り出すと一瞬で気持ちが変わる。
冷たい空気を吸い込んだ瞬間、頭が冴える。
世界が静まり返った朝に、自分の足音だけが響く。
「あぁ、今日も生きてるな」って実感する。
寒さを避ける人と、寒さの中に飛び込む人。
その違いが、ランナーの冬の朝をつくっている。
そして彼らが共通して言うセリフがある。
「寒いのは最初だけ」
これ、たぶん世界中のランナーが同じこと言ってる。
実際、走り出して2kmもすれば、手先まで血が通うのがわかる。
体があたたまるにつれて、さっきまでの寒さが“ウソみたい”に感じる。
だからランナーは、薄着で外に出ても平気な顔をしている。
傍から見れば狂気だけど、本人たちは理論的。
ただし、“薄着=無防備”ではない。
ランナーたちは、寒さに対して細やかな防御をしている。
例えば耳。
風が強い日、耳当てひとつで体感温度が全然違う。
首もネックウォーマーで守れば、顔の冷たさが軽減される。
手袋は、気温3℃を下回ったら装着する。
僕は今のところ手袋なしで走っているけど、指先が冷える朝は増えてきた。
そろそろ導入を考えている。
「寒くて手が痛い」を超えると、“痛いけど気持ちいい”に変わる。
それが怖い。
こうした一つひとつの工夫が、“冬でも走れる体”をつくっていく。
厚着して守るんじゃなく、動いて温める。
それがランナーの冬支度。
では次の章では、いよいよ“おじさんのタイツ問題”へ。
一般人が最もツッコミたくなるあのスタイル──
なぜ彼らはあのピチピチを堂々と履くのか?
【第3章】「おじさんのタイツやばいでしょ」〜機能性という名の免罪符〜
冬の朝。
信号待ちで、ピチッとしたタイツ姿のランナーが立っている。
ふくらはぎのライン、もも裏の筋肉、妙にリアルに浮き出ている。
一般人「おじさん、ちょっと待って。それは見えていいやつ!?」
そう、冬のランニング最大のツッコミポイント。
おじさん×ピチピチタイツ問題だ。
ランナーからすると、タイツは防寒具であり、戦闘服。
「防風・保温・疲労軽減・膝サポート」の全部入り。
もう履かない理由がない。
でも一般人からすれば、“視覚的インパクトが強すぎる”。
まるでマーベルヒーローの休日バージョン。
ランナーの理屈はこうだ。
「脚の筋肉をしっかり支えてくれるから、疲れにくい」
「風を通さないから、冷えない」
「タイツがあると翌日の脚の重さが全然違う」
これ、全部事実。
つまり“見た目”より“機能性”を取ってる。
だが、その覚悟が問われる。
「街中でピチピチ脚を晒してでも、走る」
この時点で、もはや修行の領域。
僕も昔は、タイツを履くのに抵抗があった。
「いや、ちょっと恥ずかしいよね」って。
でも一度冬の冷気の中をタイツで走ったら、もう戻れなかった。
防風性が高くて動きやすく、脚が冷えない。
しかもピチピチすぎない“ちょうどいいシルエット”。
この安心感が、冬の朝ランを支えてくれる。
ただし、世の中にはもっと上級者がいる。
上からショートパンツを重ねない、完全タイツスタイル勢だ。
あれはもう悟りの域。
「恥ずかしい」とか「見られてる」とか、すべてを超越している。
もはや彼らは風と一体。
冬の空気を切り裂きながら走るその姿は、ある意味で神々しい。
一般人のツッコミなど、彼らの耳には届かない。
「おじさんタイツ=ネタ」と思われがちだが、
ランナーから見れば“勝負服”だ。
冬のランニングにおいて、タイツは防具であり、信念の証。
そしてもう一つ、ランナーあるある。
「走る前はピチピチが恥ずかしいけど、走り出すと全然気にならない」
走るという行為が、あらゆる羞恥心を上書きしてくれる。
汗をかいて、息を切らして、寒さと戦っているうちに、
“見られてる”より“走れてる”に意識が変わる。
こうして、冬の朝は今日もピチピチおじさんたちが街を駆ける。
彼らの脚にはプライドと冷気が絡み合い、
アスファルトを叩くたびに“努力の音”が響いている。
その姿を見かけたら、笑うよりも、
「今日もやってんな」と少し敬意を払ってほしい。
さて、ここまでが“外見編”。
最終章では、ランナーがなぜそこまでして走るのか。
寒いのに、早朝なのに、わざわざ外へ出る理由。
そこに隠れた“冬ランの哲学”で締めよう。
【第4章】手袋問題、そして真冬へ
「手袋どうする?」
ランナーあるあるの冬初期の悩み。
11月の早朝、気温5℃。
一般人ならもうマフラー&ダウンの世界。
でもランナーは「まだ手袋いらないっしょ」とか言いながら素手で出る。
そして1km地点で「やっぱ手袋いる」と後悔する。
でも不思議なもので、3kmも走れば手の甲がポカポカしてくる。
息は白く、体は温まり、指先の感覚も戻る。
あれ? 寒くない。
「やっぱ手袋いらなかったな」
──そして帰宅して手を洗うと「冷たっ!」となる。
これもまた冬ランあるある。
ちなみに、ランニング用の手袋って普通の手袋より薄くて、
スマホタッチ対応とか、風を通さない素材とか、地味に高機能。
でもランナー的には「冬用ウエアの中で最も使用頻度が低いアイテム」。
2月になってやっと出番がくる。
🥶 寒いのに走りに行く理由
一般人「寒いのに走りに行くなんて、修行か罰ゲーム?」
そう思われても仕方ない。
でもランナーからすると、「寒い=気持ちいい」。
汗をかきすぎない。
呼吸が冴える。
空気が澄んでる。
日の出のグラデーションが美しい。
なにより、「誰もいない早朝の街を走ってる感覚」がたまらない。
まるで世界に自分しかいないような静けさ。
そのなかで自分の呼吸と足音だけが響く。
あの時間、あの感覚は、走る人だけが知っている“冬のご褒美”だ。
👟 冬ランの醍醐味
冬は“走力が上がる季節”でもある。
夏のように暑さでバテないし、心拍も安定しやすい。
体が冷えてる分、脂肪も燃えやすい。
「寒いからやめよう」と思ったその日こそ、外に出た人が強くなる。
しかも、冬を走り切ったランナーは春に一気に伸びる。
だから冬こそ走る。
これがランナーの理屈。
でも一般人から見れば──やっぱり変だ。
🧢 そして、冬ランナーは今日も外へ出る
気温3℃。
吐く息が白い。
手はかじかみ、耳が痛い。
それでもランナーは外に出る。
なぜか?
それは、走らないと落ち着かないから。
1日のリズムが崩れるから。
「寒いからこそ、走りたい」──そう思ってしまうから。
もはや中毒と言われても仕方ない。
でもこの“変な人たち”の積み重ねが、
春の大会でのサブ4や自己ベスト更新に繋がっていく。
✍️ まとめ:「冬ランナーは変。でも最高。」
冬のランニングスタイルを見て、
一般人はきっとこう思うだろう。
「寒そう」「変な格好」「なにそのタイツ」「なんでそんな薄着で?」
──でもランナーは笑って言う。
「これがちょうどいいんだよ」
季節に逆らうように走る冬のランナー。
誰もいない早朝の街で、
吐く息を白く染めながら、
心拍数を刻む。
その姿は、
たぶん少し変で、
でも、めちゃくちゃかっこいい。

