ベース走最強説とポイント練習の逆説

第1章:ベース走こそ絶対的王道

ランニングを続けていると、どうしても目に見える成果や派手な練習に目が行きがちです。閾値走やインターバルはその代表格。心拍を上げ、呼吸を荒げ、苦しい中で走る。それを見ると、誰もが「これをやらなければ強くなれないのでは?」と錯覚してしまいます。昭和の根性論の香りも漂いますね。

しかし、冷静に総負荷で考えてみると、閾値走やインターバルは短時間しか続けられないため、積み上げられる総負荷は意外と低いのです。対して、ベース走、LSD、ロングジョグは時間をかけて走るため、ゆっくりながらも筋肉、フォーム、持久力、代謝効率を同時に育てられるのです。総負荷という観点では、地味ながら圧倒的に効率的。それこそが、ベース走最強説の根拠です。

さらに面白いのは、ベース走は心肺を追い込まなくても効果がある点です。筋肉が育つことで酸素消費が減り、呼吸が荒れずとも同じペースで速く走れるようになるのです。つまり、ゼーハーしなくても体は強くなる。これは逆説的で、一般的なイメージとは少し異なるかもしれません。

実体験もあります。夏の間、あまりにも暑すぎてポイント練習は封印しました。早く走るとバテてしまうので、仕方なく90分のゆるベース走を淡々と続けただけです。それでも秋になった途端、なぜかペースが一気に上がったのです。ゆっくりでも長く走るという総負荷の積み重ねが、目に見えない形で体に蓄積され、ある日突然成果として現れた瞬間でした。この経験こそが、「ベース走最強説」を裏付ける生きた証拠となります。


第2章:ポイント練習の楽しさと逆説

では、ベース走だけで十分なのに、なぜわざわざポイント練習をしてしまうのでしょうか。ここが今日の肝です。数字や効率で考えると、一般ランナー、特にサブ4レベルまでのランナーにとって、ポイント練習はほとんど必要ありません。総負荷を積むという観点では、地味なベース走だけで十分強くなるからです。

それでも、ポイント練習をやってしまう理由は、ただ一つ――楽しいから

  • 閾値走やインターバルは短時間で追い込むため、達成感がある
  • 心拍やタイムの変化を目に見える形で確認できる
  • 苦しいけれどやった感がある

さらに、人間は「飽きる」という心理が働きます。ずっとベース走だけだと、どうしても単調で退屈に感じてしまうのです。夏の暑さの中、ポイント練習を封印せざるを得なかった。暑すぎて封印することが可能だった。しかし、走るモチベーションを維持するためには、心理的報酬が必要になる。だから、ポイント練習を無意識に取り入れてしまうのです。

しかしここに逆説があります。楽しさを求めてポイント練習をすると、知らず知らずのうちに疲労が溜まるのです。総負荷効率で考えると割に合わないのに、心理的報酬を求めた結果、体は疲れてしまう。しかも一般ランナーは平日仕事や生活リズムの制約があるため、回復時間を十分に確保できません。睡眠、昼寝、栄養補給などの回復戦略が不十分なままポイント練習をすると、疲労だけが残るという皮肉な状況になります。

逆に、サブ3レベル以上のアスリートは事情が違います。十分な回復時間を確保できるため、ポイント練習による心肺・スピード・乳酸耐性の微調整は効率的に成果を生みます。つまり、ポイント練習はアスリート専用の魔法の一振りであり、一般ランナーにとっては遊びの要素、心理的報酬のためだけの存在なのです。


第3章:淡々と積み重ねるベース走の力

結局のところ、ランニングで本当に強くなるのは、地味なベース走の積み重ねです。総負荷を淡々と積み重ねることで、筋肉・フォーム・持久力が確実に向上し、心肺を無理に追い込まなくても速く走れる体が作られます。派手なポイント練習は、楽しさという心理的報酬のために存在するだけで、知らず知らずの疲労を伴う逆説を抱えています。

実体験からもそれは明らかです。夏の暑さでポイント練習を封印しても、淡々と90分のゆるベース走を続けただけで、秋に一気にペースアップしました。数字や効率では説明できない、この「蓄積される強さ」は、総負荷の積み重ねによる地味な王道の成果なのです。

この逆説を踏まえると、一般ランナーにとっての最強理論はこうなります。

  • 派手なポイント練習は心理的報酬と楽しさのためのオマケ
  • 総負荷を積み重ねるベース走こそ、効率的に確実に強くなる王道
  • 楽しさと効率のバランスを意識しつつ、淡々と積み重ねることが最強の秘訣

結び

「結局、ランニングで本当に強くなるのは地味なベース走。派手なポイント練習は、楽しさという魔法の副作用で疲労を生むだけ。総負荷の淡々とした積み重ねこそ、一般ランナーの最強理論なのだ。」

ランニングは科学であり、心理でもあります。効率や数字も大事ですが、楽しさがないと続きません。ベース走を淡々と積み重ねつつ、ポイント練習は遊びとして楽しむ――このバランスこそが、一般ランナーにとっての最強の走り方なのです。


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